燃油等高騰対応省エネルギー対策等整備事業の話を聞いてきた

いきなり発表のあった燃油等高騰対応省エネルギー対策等整備事業。いやーこれはすばらしい、と早速、担当者から聞いてきました。

昨今のトレンド

コロナ禍、ウクライナ情勢で日に日に農業を取り巻くは悪くなりつつあります。その中でも燃油と肥料の高騰は経営そのものを直撃します。なのでこういう支援というのは本当にありがたいことです。しかし、そう簡単でもなさそうな雰囲気でした。農業関係ではもうその要件を満たしていれば即、OKという補助金がほとんだったわけですが、昨今のトレンドとして、成果を求められるわけです。

ここでいう成果とは、「燃油使用量又は肥料費が基準より10%以上低減することが見込まれること」です。この成果というのは最も農家が嫌がります。

2つのポイント

2つのポイントというのは、誰もがこの事業に引っかかる穴のことです。ただこの2つをクリアすれば、グッと採択が近づきます。

現状を把握できるのか

先ほどの成果ですが、現状と比較して目標年(令和6年)に10%以上低減となるので、現状値を設定します。この現状値は過去3年間の実績の平均となるわけですが、正直なところわかりません、ということろです。例えば、機械を変えるとして、その機械の燃料費を算出している農家はほぼありません。しかしそれがないと現状値は測れないというわけです。説明ではできるだけ客観性のある資料の提出をお願いしているところでした。それだってあやしいとは思いますが。

納期は絶対

採択は9月を予定しているが県の事業のため、10月になることも考えられる、との回答がありました。事業自体が令和4年度ですので、令和5年3月に納品されていなければなりません。あらかじめ決めておくことはできず、入札がありますので、それを採択して、入札して、発注して、納品となるわけですが、モノによってはギリギリのスケジュール感です。

肥料はほぼほぼないかも

肥料費も対象となっていますが、肥料高騰については普通に10%以上の値上がりし続けている現状ではほぼ該当ないかもしれません。目標年の令和6年にはいくらになっていることやら。この制度を活用するには、全体的に施肥体系を見直すかしないとダメな印象です。

まとめ

現段階では申請の前の要望調査なので、少しでも該当しそうなら相談することをお勧めします。期限が迫ってますので、検討されている方はお急ぎください。

「1本5000円のレンコンがバカ売れする理由」の本当の理由②

前回に続き、「1本5000円のレンコンがバカ売れする理由」が他の業種に応用できないかを考えてみます。

何を売るのか

もちろん、マーケットを見て、売れるものを決めるというやり方もありますが、まずは何が売れるのかが必要です。ここではレンコンですが、読み進めていくと普通のレンコンではありませんでした。先代のこだわりと技術とそれから伝統。ただのレンコンでないということがこの商品の強みとなっていたわけです。なのでその強みがない場合であっても同じようになったかというと、難しかったでしょう。しかし、強みというのはあくまで相対的なものなので、どんなものであっても何も強みがないということはありません。

値段を決める

前にも価格決定のお話をしましたが、価格は顧客が買ってくれる最高値が利益を最大化できるわけです。なのでいくらで売るかということは、経営の最重要課題ということです。コストが高くて、利益が出ないという状況は、売れば売るほど赤字になるということですので、すぐにやめるべきです(農業においてはこれは日常ではありますが)。これも前述になりますが、松竹梅戦略は有効のようですね。

顧客を探す

さて、その値段で買ってくれる顧客を見つけなくてはなりません。この本に書かれているのは、営業、営業、そして営業でした。レンコンという商品の特徴かもしれませんが、B to Cというよりは、B to Bの傾向が強いからかもしれません。なかなか家庭でレンコン料理というよりは、料亭、割烹などで食べる機会のほうが多い感じがします。どこにそういう顧客がいるのかを探し出さないとビジネスは成り立ちませんので、どこにアプローチするかというのは重要です。そこを間違えると顧客にたどりつかないなんてことも。

買うまでのプロセスを知る

顧客がその商品を買うまでのプロセス、つまりカスタマー・ジャーニー。前にもお話ししましたが、ジャーニーです。この本ではレンコンの生産者が消費者に対して、そこ気にする?ってなるところがあります。生産して出荷しているだけでは気が付かなかったことでしょう。消費者目線で、とはよくいわれますが、実際にそう試みようとしても、案外自分の思い込みだったり、間違った先入観だったりで、分からないものです。

再現性はあるのか

ビジネスにおいて、最も重要となるのが再現性です。たまたま売れた、たまたま儲かった、ではほぼギャンブルです。なんらかの仕掛けに対して、同じようなリアクションが求められるわけです。それに対しての経費を計算し、売上を見込み、投資して、売上から利益を出す、のがビジネスですので、投資を回収する段取りをするのが経営者といえます。この本ではその部分は詳しく書かれていませんが、それぞれの取り組みが相乗的に実現したのだと想像します。

まとめ

コンテンツ、プライス、カスタマー、そしてビジネス・モデル。仕組み化のところで、もう少し詳しい説明が欲しいところですが、それでもビジネス書として参考になることばかりです。農業という特殊な分野ではありますが、きっと何かのヒントになるかと思います。

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「1本5000円のレンコンがバカ売れする理由」の本当の理由①

農事組合法人の代表理事をおおせつかっております。農業を取り巻く環境は日に日に悪くなるばかりで、なんとかならないものかと手に取った1冊です。農業、特に米農家でこれが可能なのか、また他のビジネスの教訓となるのか、について考えてみました。

筆者について

筆者は農家で、民俗学専攻の社会学博士。これだけでこの本が面白いものだと感じます。農業、とりわけ農村のさまざまな事象を丁寧に説明しています。農業というひとつの産業として捉えてみても、結局は経済学、経営学的に理解できない部分が多すぎるわけで、こういうところは社会学者、しかも民俗学者としての考察がとてもいいです。

結論からいうと

いきなり結論からいうと、1本5000円のレンコンがバカ売れする理由は、そういう要因があったから、ということでした。

ブランドではないがいいレンコン

親の代からレンコン栽培のノウハウがあり、こだわりがあり、もともとのポテンシャルはあったということです。レンコン専業ということから考えても、一般の農家とは相当の格差があるわけです。

営業、営業、そして営業

ブランディングとか、マーケティングとか、戦略とか、いろいろとトピックはあるものの、結局は営業から顧客を獲得した印象が強い。もちろん、5000円のレンコンという差別化、パッケージのデザイン、伝統というコピーライティング、それぞれが戦略的に取り組んでいるが、それだけではバカ売れに至っていない。営業しまくって、ちょっとずつ浸透させていった様子がわかります。

野菜は目で食べる

農業独自の課題として、製品の見た目の良さについては、如何ともし難いジレンマを抱えています。本来、食べ物なのだから美味しければいい、というわけにはいかず、味はともかくまずは見た目。とにかく見た目が良くないと、消費者が手にしてくれないというジレンマがあるのです。一般的に食味コンテストなどを開いて、おいしさをアピールしてはいるが、メディアへの話題提供にしかなっていない感が否めない。

どうやって届けるのか

例えばJAに出荷していれば、手数料などなどバカになりません。そのコストを抑えることはできるものの、自分で売り先、配送業者を探して、手配するとなると莫大な手間なわけです。そこのバランスを見誤ると、大変なことに。

まとめ

筆者はこうしていくつもの課題をクリアして、1本5000円のレンコンがバカ売れするようになったわけです。なので、米農家がそう簡単に真似できるようなものではないようですね。ちょっと長くなったので、次回は他の業種への教訓について考えてみます。

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デザインする、は一体何をするのか

前にデザイン思考についてお話ししましたが、ビジネスにおいてデザインが重要である、ということはご理解いただけたと思います。なるほど、なるほど、と。で、何をするのかい?っていうのが今回のテーマです。

デザインのおさらい

デザインは、見た目をいい感じにするとか、ファッショナブルであるとか、そういうイメージ的なものではなく、徹底的に設計すること、ということをお話ししました。観察からはじまって、あーでもない、こーでもないと考察し、こんなんじゃね、と仮説を立て、いい感じ、に実装し、あぁマジか、と評価して、というPDCAのことです。プロダクト・デザインというのは、そういうのの結果の部分でしかないのです。

「101デザインメソッド」

じゃ、どうすればいいの?ってなると思いますが、デザインのメソッドがこの書籍にまとめられていますので、紹介します。

デザインを7つのフェイズに分類し、101のデザインメソッドを紹介しています。もちろん、通して読んでもいいですが、それぞれの課題、課題に必要なメソッドだけをチョイスするというのでもいいと思います。

思い込みを排除する

このデザインすることの意味は、思い込みを排除する、ということに尽きると思います。人は経験やそれに基づいた勘に頼りがちです。成功体験があると、なおさらそのルーティンのようなものができてしまい、新しい気づきを見落としてしまうものです。新しいビジネスを思いついた、すぐにやってみよう、となった時にエビデンスが必要です。上司に説明するとか、融資のために金融機関に説明するとか。イケそうな根拠としての資料を提示するわけですが、これが自分の都合のいいデータを抽出するとか、見たい現実を見にいくというものだと、後々困ることになるわけです。

「バズ・レポート」

メソッドの1が、「バズ・レポート」です。いわゆるバズってる、人、物、事を抽出し、関連するトピックを拾っていく作業です。誰もが考えうることではありますが、ちょっとデザイン的に考えると、誰もが自分自身の興味、関心のあることは日々ピックアップしているものです。なので、ああ、これな、みたいな感じでピックアップするのではなく、「オープンなマインドで情報源を見て回る」ことが重要とあります。

カスタマー・ジャーニーの眼差し

ここで重要なのは自分自身の目線ではなく、ユーザーからどう見えているのか、ということです。そうでなければ、自分の思い込みの範疇でしか考えられないし、そこから卒業するためのデザインなのです。

カスタマー・ジャーニーとは、まさしくジャーニー、旅なわけです。カスタマーが財・サービスを購入しよとするとき、あーでもない、こーでもないと考えるプロセスがカスタマー・ジャーニーですの、どこのどのタイミングで選択したのかを探り、何がそのきっかけとなったのかを知る必要があります。

まとめ

デザインメソッドは自身の思い込みを排除するツールです。そのデザインの方法が載ってますので、ぜひ手に取ってみてください。

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ファンダムエコノミーの未来感

宇佐美りん「推し、燃ゆ」。ちょっと前に芥川賞を受賞した作品である。普段はこういうのは読むことはないが、あるポッドキャストで大絶賛されていて、しかも某メルカリで安く手に入ったので、読んでみた。短い小説だった。ちょうどそのタイミングで黒鳥社から出版された「ファンダムエコノミー入門」。これが今日の話。

ファンダムエコノミーとは

「ファンダムエコノミーは、もはや一部の過剰な消費者が生み出す周縁的な経済圏ではない。それは、生産者と消費者の関係性を根底から変え、これまでとはまったく異なるビジネスを生み出す巨大な潮流だ。伝統的な経済システムと接しながら、モラルエコノミー、ソーシャルエコノミー、贈与経済がハイブリットされた摩訶不思議な新しい経済は、来るべき政治、文化、社会さえをも変えてしまうかもしれない。」(帯より)

ファンダムエコノミー自体は古くからあって、コアなファンというとわかりやすい。シャーロック・ホームズにもあるし、スター・ウォーズにもある。日本ではオタク文化もそうだろう。ただ、今まではある種の限定的なものとして捉えらてきたが、ここにきてその特別な感じはもうしなくなってしまった。BTSは普通にファンがいるし、ゲームをする大人も普通になった。

推し、という財・サービス

財・サービスは、生産者と消費者が貨幣で交換されるもの、が従来の経済学である。推しは、財・サービスとしての売買の対象ではないということらしい。つまり、消費ではないということか。むしろ、贈与に近いというのである。BTSのCDを買うとか、グッズを買うだけでなく、ファンが出資して広告を出すとなると、ちょっと従来の消費行動で説明できなくなっているというわけだ。

時代は変わる

「推し、燃ゆ」を読んでの感想が、わからん、だった。BTSはもちろん知ってはいたが、これほどまで世界で人気があるなんて知らなかった。そして、このファンダムエコノミー。正直なところ、自分には理解できない。そこに書いてあることは理解できるが、ピンとこないのである。しかし、それは仕方のないことだとも思う。時代は変わる。

サブスクリクション、が消費行動を変えてしまったように、ファンダムエコノミーが消費行動を変えることがあるのかもしれない。アップル・ミュージックに入ってからもうCDは買わなくなってしまった。本はまだ買ってはいるがkindleも使っている。そのうち本も買わなくなるかもしれない。

まとめ

ちょっとまとまりがなくなってしまいましたが、ファンダムエコノミーの紹介でした。これから経済活動が変わるかもしれないという話。繰り返しになりますが自分にはいまいち理解できないとしても、それはそれで押さえておかないといけないのかもしれません。一気に自分が歳を取ってしまったような感じなるのも仕方のないことですね。

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財務コンサルティング、はじめました

事業復活支援金の事前確認登録機関として事前確認、または申請代行など対応させていただきました。いろんな方からお問合せいただき、お話しさせていただきました。やはりコロナの影響はあります。地方だとそうでもないのかな、なんて勝手に思ってもいましたが、リアルにお話をうかがい、自分自身も大変勉強になりました。

なぜ、財務なのか

補助金申請やら融資やら資金調達の相談は今までもあったわけですが、同じ行政書士の赤沼慎太郎先生が財務コンサルタント養成講座を開講されると知り、一度体系的に身につけたほうが良いと思い、受講しました。

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事前確認で気づいたこと

事前確認でお話しさせていただく中で、気づいたのは財務管理に意識が向いてない、ということです。すごく売上があるのに白色申告。従業員を複数抱えているのに個人事業主。会計は顧問先に任せっぱなし。すごくもったいないと思いました。

事業計画を立てて取り組んでいれば、もっともっと稼げただろうし、雇用も増えるし、地域に貢献できるというものです。全部の事業者が財務管理すべきとは思いませんが、ある程度の規模に成長した段階で、そういうタイミングがあるものです。

社外CFOとして

例えば、関与している税理士だったり、商工会だったり、銀行だったりが、アドバイスするのでしょうが、そういう担当者に当たらなかったか、あるいは本人が話を聞いてなかったかなのでしょう。そのような経営者の右腕となるような財務担当、社外CFO(最高財務責任者)としてサポートできたらと思います。

まとめ

そんなわけで財務コンサルタント、はじめました。トライアル期間として、無料財務コンサルティング実施中です。こちらのページからお申し込みできますので、ぜひこの機会に。

財務コンサルティング

そのKPI、間違ってますよ

経営、マネジメントという場面で目にする、KPI。どうしてもこういう横文字、略語を使いがちです。それ自体をどうこういうつもりはないのですが、そのKPIはあってる、っていうことが、まぁまぁあります。

KPIとは

KPIとは、key performance indicator の略で、重要業績評価指標という意味です。同じようなもので、KGIがあります。これは、key goal indicator で、重要目標達成指標という意味です。つまり、KPIを達成すれば、KGIも達成できるという指標になっています。

例えば、今月の売り上げ目標を1,000万円とし、1件100万円の契約を取るのに必要な営業は、となる。成約率が10%であるとしたら、10件の契約を取るには100件の営業が必要となる。その時、KPIは営業100件、KGIは売上1,000万円となる。

顧客が見えているか

ここで紹介したいのは顧客関係管理(CRM、また横文字、略字すみません。)です。ビジネスにおいて再現性というのが重要になります。つまり、こうすればこうなる、というものです。前回の値上げについての記事でも書きましたが、顧客を観察するということです。この顧客関係管理がしっかりとできていれば、ビジネスはうまくいきます。なぜなら、顧客の欲しいものが欲しいときに供給できるからです。

なぜKPIを間違えるのか

顧客関係管理は、データです。データというと、営業から嫌がられてしまうわけです。そういうのは大手とか、ベンチャーとかの話で、汗をかくのが営業だ、と。経験、直感、根性論でかたつけられてしまいがちですが、10件の契約を取るのに200件、300件と増やして経費を増やしていては、売上目標の1,000万円を達成できたとしても、利益の最大化にはならないということです。

日本病という病

ちょっと大きな話になってしまいますが、かつて日本は世界のビジネスシーンでトップクラスでした。世界ではジャパンマネーが席巻し、バブルを迎えます。そして、そのバブルが弾けてもその傷を最小限にとどめ、世界のトップを維持してきていたわけです。その成功体験があるから、いつまでもそこに執着してしまい、世界から取り残されようとしています。

まとめ

最先端のビジネススキームを取り入れて、新しいビジネスモデルを構築しなければなりません。しかし、どうしても経験とか勘でやってしまいがちです。KPIを間違えると、頑張れば頑張っただけ、赤字になるということにもなりかねません。KPIとKGIの相関を見極め、そのためにもデータを活用した顧客関係管理が重要です。

値上げしづらい日本

コロナの供給制限や原油高、円安、そしてロシアのウクライナ侵攻と、コスト高に歯止めがかかりません。景気が良くなって値上げするというのであれば、消費者にも影響は少ないものの、こういう状況で、コストだけが上がるというのでは、値上げしづらいものです。しかし、コストが上がっている以上、その分の値上げをしないことには利益を圧迫するだけです。もしかしたら、売れば売れるほど赤字なんていうことも。

値上げは甘え、というけれど

値上げ、というと消費者からしてみれば、ピリッとするものですが、経営者にとっては甘美な響きです。経営者の目的は利益の最大化だとすれば、売上を上げるか経費を落とすか、その両方しかありません。売上、それは顧客数×単価、つまり値上げをすれば売上は上がります。しかし、顧客が値上げを受け入れるてくれるか、他の商品に、他の商店に流れるのでは、そう考えると値上げしづらいものです。そもそも日本ではコスト削減が最大の美徳とされてきました。

顧客を観察する

利益を最大にするということは、顧客が買ってくれる最高値に価格を設定しなくてはなりません。今の価格で売上が順調であったとしても、コストが高くなれば、利益は減ります。もちろん値上げをして顧客数が減ることはありますが、減った分を値上げすれば売り上げを落とすことはありません。

例えば、1,000円のランチで顧客数が100人であれば、100,000円の売り上げです。1,200円に値上げすれば、100,000円の売り上げを作るには83人で足ります。1,500円であれば66人です。そうすると、100人の顧客から83人、あるいは66人の顧客では何が違うのかを知る必要があります。

行動経済学に基づいた価格設定

行動経済学にナッジ理論というものがあります。例えのランチでいうと、ランチを上:1,200円、並:1,000円とします。どうも並ばかりが売れるので、なんとかして上の売り上げを増やしたいとします。そこでメニューにランチ松竹梅として、松:1,500円、竹:1,200円、梅:1,000円とします。竹と梅は前の上と並のままです。松というメニューを加えて、ちょっと高級感を出します。そうすると、竹の中間の売上が増えるというものです。

誰を顧客にするのか

隣の店と顧客と取り合っているような場合、提供する財・サービスの質が同様であれば価格競争、つまり安い方に顧客は流れます。しかし、自分自身が提供する財・サービスを誰に売るのか、が明確になれば値決めに迷うことはありませんし、値上げも自信を持ってできるというものです。

まとめ

顧客を選べば値上げは怖くありません。むしろその利益を最大化するためには必要な経営判断です。先ほどのランチで考えると100人から66人に顧客数が減ればもしかしたらアルバイトを減らすこともできるかもしれません。