デザインする、は一体何をするのか

前にデザイン思考についてお話ししましたが、ビジネスにおいてデザインが重要である、ということはご理解いただけたと思います。なるほど、なるほど、と。で、何をするのかい?っていうのが今回のテーマです。

デザインのおさらい

デザインは、見た目をいい感じにするとか、ファッショナブルであるとか、そういうイメージ的なものではなく、徹底的に設計すること、ということをお話ししました。観察からはじまって、あーでもない、こーでもないと考察し、こんなんじゃね、と仮説を立て、いい感じ、に実装し、あぁマジか、と評価して、というPDCAのことです。プロダクト・デザインというのは、そういうのの結果の部分でしかないのです。

「101デザインメソッド」

じゃ、どうすればいいの?ってなると思いますが、デザインのメソッドがこの書籍にまとめられていますので、紹介します。

デザインを7つのフェイズに分類し、101のデザインメソッドを紹介しています。もちろん、通して読んでもいいですが、それぞれの課題、課題に必要なメソッドだけをチョイスするというのでもいいと思います。

思い込みを排除する

このデザインすることの意味は、思い込みを排除する、ということに尽きると思います。人は経験やそれに基づいた勘に頼りがちです。成功体験があると、なおさらそのルーティンのようなものができてしまい、新しい気づきを見落としてしまうものです。新しいビジネスを思いついた、すぐにやってみよう、となった時にエビデンスが必要です。上司に説明するとか、融資のために金融機関に説明するとか。イケそうな根拠としての資料を提示するわけですが、これが自分の都合のいいデータを抽出するとか、見たい現実を見にいくというものだと、後々困ることになるわけです。

「バズ・レポート」

メソッドの1が、「バズ・レポート」です。いわゆるバズってる、人、物、事を抽出し、関連するトピックを拾っていく作業です。誰もが考えうることではありますが、ちょっとデザイン的に考えると、誰もが自分自身の興味、関心のあることは日々ピックアップしているものです。なので、ああ、これな、みたいな感じでピックアップするのではなく、「オープンなマインドで情報源を見て回る」ことが重要とあります。

カスタマー・ジャーニーの眼差し

ここで重要なのは自分自身の目線ではなく、ユーザーからどう見えているのか、ということです。そうでなければ、自分の思い込みの範疇でしか考えられないし、そこから卒業するためのデザインなのです。

カスタマー・ジャーニーとは、まさしくジャーニー、旅なわけです。カスタマーが財・サービスを購入しよとするとき、あーでもない、こーでもないと考えるプロセスがカスタマー・ジャーニーですの、どこのどのタイミングで選択したのかを探り、何がそのきっかけとなったのかを知る必要があります。

まとめ

デザインメソッドは自身の思い込みを排除するツールです。そのデザインの方法が載ってますので、ぜひ手に取ってみてください。

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ファンダムエコノミーの未来感

宇佐美りん「推し、燃ゆ」。ちょっと前に芥川賞を受賞した作品である。普段はこういうのは読むことはないが、あるポッドキャストで大絶賛されていて、しかも某メルカリで安く手に入ったので、読んでみた。短い小説だった。ちょうどそのタイミングで黒鳥社から出版された「ファンダムエコノミー入門」。これが今日の話。

ファンダムエコノミーとは

「ファンダムエコノミーは、もはや一部の過剰な消費者が生み出す周縁的な経済圏ではない。それは、生産者と消費者の関係性を根底から変え、これまでとはまったく異なるビジネスを生み出す巨大な潮流だ。伝統的な経済システムと接しながら、モラルエコノミー、ソーシャルエコノミー、贈与経済がハイブリットされた摩訶不思議な新しい経済は、来るべき政治、文化、社会さえをも変えてしまうかもしれない。」(帯より)

ファンダムエコノミー自体は古くからあって、コアなファンというとわかりやすい。シャーロック・ホームズにもあるし、スター・ウォーズにもある。日本ではオタク文化もそうだろう。ただ、今まではある種の限定的なものとして捉えらてきたが、ここにきてその特別な感じはもうしなくなってしまった。BTSは普通にファンがいるし、ゲームをする大人も普通になった。

推し、という財・サービス

財・サービスは、生産者と消費者が貨幣で交換されるもの、が従来の経済学である。推しは、財・サービスとしての売買の対象ではないということらしい。つまり、消費ではないということか。むしろ、贈与に近いというのである。BTSのCDを買うとか、グッズを買うだけでなく、ファンが出資して広告を出すとなると、ちょっと従来の消費行動で説明できなくなっているというわけだ。

時代は変わる

「推し、燃ゆ」を読んでの感想が、わからん、だった。BTSはもちろん知ってはいたが、これほどまで世界で人気があるなんて知らなかった。そして、このファンダムエコノミー。正直なところ、自分には理解できない。そこに書いてあることは理解できるが、ピンとこないのである。しかし、それは仕方のないことだとも思う。時代は変わる。

サブスクリクション、が消費行動を変えてしまったように、ファンダムエコノミーが消費行動を変えることがあるのかもしれない。アップル・ミュージックに入ってからもうCDは買わなくなってしまった。本はまだ買ってはいるがkindleも使っている。そのうち本も買わなくなるかもしれない。

まとめ

ちょっとまとまりがなくなってしまいましたが、ファンダムエコノミーの紹介でした。これから経済活動が変わるかもしれないという話。繰り返しになりますが自分にはいまいち理解できないとしても、それはそれで押さえておかないといけないのかもしれません。一気に自分が歳を取ってしまったような感じなるのも仕方のないことですね。

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財務コンサルティング、はじめました

事業復活支援金の事前確認登録機関として事前確認、または申請代行など対応させていただきました。いろんな方からお問合せいただき、お話しさせていただきました。やはりコロナの影響はあります。地方だとそうでもないのかな、なんて勝手に思ってもいましたが、リアルにお話をうかがい、自分自身も大変勉強になりました。

なぜ、財務なのか

補助金申請やら融資やら資金調達の相談は今までもあったわけですが、同じ行政書士の赤沼慎太郎先生が財務コンサルタント養成講座を開講されると知り、一度体系的に身につけたほうが良いと思い、受講しました。

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事前確認で気づいたこと

事前確認でお話しさせていただく中で、気づいたのは財務管理に意識が向いてない、ということです。すごく売上があるのに白色申告。従業員を複数抱えているのに個人事業主。会計は顧問先に任せっぱなし。すごくもったいないと思いました。

事業計画を立てて取り組んでいれば、もっともっと稼げただろうし、雇用も増えるし、地域に貢献できるというものです。全部の事業者が財務管理すべきとは思いませんが、ある程度の規模に成長した段階で、そういうタイミングがあるものです。

社外CFOとして

例えば、関与している税理士だったり、商工会だったり、銀行だったりが、アドバイスするのでしょうが、そういう担当者に当たらなかったか、あるいは本人が話を聞いてなかったかなのでしょう。そのような経営者の右腕となるような財務担当、社外CFO(最高財務責任者)としてサポートできたらと思います。

まとめ

そんなわけで財務コンサルタント、はじめました。トライアル期間として、無料財務コンサルティング実施中です。こちらのページからお申し込みできますので、ぜひこの機会に。

財務コンサルティング

そのKPI、間違ってますよ

経営、マネジメントという場面で目にする、KPI。どうしてもこういう横文字、略語を使いがちです。それ自体をどうこういうつもりはないのですが、そのKPIはあってる、っていうことが、まぁまぁあります。

KPIとは

KPIとは、key performance indicator の略で、重要業績評価指標という意味です。同じようなもので、KGIがあります。これは、key goal indicator で、重要目標達成指標という意味です。つまり、KPIを達成すれば、KGIも達成できるという指標になっています。

例えば、今月の売り上げ目標を1,000万円とし、1件100万円の契約を取るのに必要な営業は、となる。成約率が10%であるとしたら、10件の契約を取るには100件の営業が必要となる。その時、KPIは営業100件、KGIは売上1,000万円となる。

顧客が見えているか

ここで紹介したいのは顧客関係管理(CRM、また横文字、略字すみません。)です。ビジネスにおいて再現性というのが重要になります。つまり、こうすればこうなる、というものです。前回の値上げについての記事でも書きましたが、顧客を観察するということです。この顧客関係管理がしっかりとできていれば、ビジネスはうまくいきます。なぜなら、顧客の欲しいものが欲しいときに供給できるからです。

なぜKPIを間違えるのか

顧客関係管理は、データです。データというと、営業から嫌がられてしまうわけです。そういうのは大手とか、ベンチャーとかの話で、汗をかくのが営業だ、と。経験、直感、根性論でかたつけられてしまいがちですが、10件の契約を取るのに200件、300件と増やして経費を増やしていては、売上目標の1,000万円を達成できたとしても、利益の最大化にはならないということです。

日本病という病

ちょっと大きな話になってしまいますが、かつて日本は世界のビジネスシーンでトップクラスでした。世界ではジャパンマネーが席巻し、バブルを迎えます。そして、そのバブルが弾けてもその傷を最小限にとどめ、世界のトップを維持してきていたわけです。その成功体験があるから、いつまでもそこに執着してしまい、世界から取り残されようとしています。

まとめ

最先端のビジネススキームを取り入れて、新しいビジネスモデルを構築しなければなりません。しかし、どうしても経験とか勘でやってしまいがちです。KPIを間違えると、頑張れば頑張っただけ、赤字になるということにもなりかねません。KPIとKGIの相関を見極め、そのためにもデータを活用した顧客関係管理が重要です。

値上げしづらい日本

コロナの供給制限や原油高、円安、そしてロシアのウクライナ侵攻と、コスト高に歯止めがかかりません。景気が良くなって値上げするというのであれば、消費者にも影響は少ないものの、こういう状況で、コストだけが上がるというのでは、値上げしづらいものです。しかし、コストが上がっている以上、その分の値上げをしないことには利益を圧迫するだけです。もしかしたら、売れば売れるほど赤字なんていうことも。

値上げは甘え、というけれど

値上げ、というと消費者からしてみれば、ピリッとするものですが、経営者にとっては甘美な響きです。経営者の目的は利益の最大化だとすれば、売上を上げるか経費を落とすか、その両方しかありません。売上、それは顧客数×単価、つまり値上げをすれば売上は上がります。しかし、顧客が値上げを受け入れるてくれるか、他の商品に、他の商店に流れるのでは、そう考えると値上げしづらいものです。そもそも日本ではコスト削減が最大の美徳とされてきました。

顧客を観察する

利益を最大にするということは、顧客が買ってくれる最高値に価格を設定しなくてはなりません。今の価格で売上が順調であったとしても、コストが高くなれば、利益は減ります。もちろん値上げをして顧客数が減ることはありますが、減った分を値上げすれば売り上げを落とすことはありません。

例えば、1,000円のランチで顧客数が100人であれば、100,000円の売り上げです。1,200円に値上げすれば、100,000円の売り上げを作るには83人で足ります。1,500円であれば66人です。そうすると、100人の顧客から83人、あるいは66人の顧客では何が違うのかを知る必要があります。

行動経済学に基づいた価格設定

行動経済学にナッジ理論というものがあります。例えのランチでいうと、ランチを上:1,200円、並:1,000円とします。どうも並ばかりが売れるので、なんとかして上の売り上げを増やしたいとします。そこでメニューにランチ松竹梅として、松:1,500円、竹:1,200円、梅:1,000円とします。竹と梅は前の上と並のままです。松というメニューを加えて、ちょっと高級感を出します。そうすると、竹の中間の売上が増えるというものです。

誰を顧客にするのか

隣の店と顧客と取り合っているような場合、提供する財・サービスの質が同様であれば価格競争、つまり安い方に顧客は流れます。しかし、自分自身が提供する財・サービスを誰に売るのか、が明確になれば値決めに迷うことはありませんし、値上げも自信を持ってできるというものです。

まとめ

顧客を選べば値上げは怖くありません。むしろその利益を最大化するためには必要な経営判断です。先ほどのランチで考えると100人から66人に顧客数が減ればもしかしたらアルバイトを減らすこともできるかもしれません。

デザイン思考の次はアート思考

前回、デザイン思考の話をしておいてなんなんですが、デザイン思考が成功するビジネスの必須スキルといいつつ、もはやそれでは足りない、っていうことで、アート思考というわけです。

デザイン思考の限界

確かにデザイン思考は優れた概念ではあるのですが、マーケティングにおいて、ちまちまと調査を繰り返していたものが、今やGoogleをはじめとし、あらゆるビッグデータがカスタマーのトレンドを掴んでしまっているわけです。ある製品のトレンド、人気のショップ、いちいち調べなくても、わかっちゃうようになっちゃいました。そうなると、どこをどう差別化するというのは難しくなってきて、どれも答えは同じになって、同じ商品になって、ってなるのです。

そこで、アート思考がビジネスを変える、みたいになっているのですね。

アート思考とは

デザイン=設計です。前回も話しましたが、デザインもアートと一括りにしてしまいがちですが、デザインとアートは全く別です。どうしても、外見だけを捉えて、このデザインがかっこいいとなりますが、デザインは徹底的に作り込まれたものです。どう見えるか、どう使えるか、を考え抜かれた、設計です。アートは反対に内面から生じる衝動のようなもの、と言えます。アートについて話し出すと長くなるので、簡単に説明すると、どう見えているか、ということです。デザインは反対に、どう見られているか、です。ユーザー、カスタマーがどう感じるかを表現したものが、デザイン。自分自身がこう感じているを表現したものが、アート。

では、アート思考というのは、なんなのか。アートというのは現実とのズレ感、だと思うのです。アート論でないので、ここは簡単に説明しますが、アーティストが現実とのズレを表現したのがアートです。このズレ感がみんなに共有されれば、アートとして評価され、共感が得られなければ、アートではないのです。

リベラルアーツの意味

現代アートで有名な、デシャンの泉。小便器がアートなのか、とアートは全く理解できないという人は多いと思います。しかし、その背景というか、文脈というか、それを読み解いてみると、なるほど、そういう意味だったのか、と合点がいくのです。それを読み解く鍵となるのが、リベラルアーツ、いわゆる人文学です。

大学の人文学部を卒業しても、教職員になるか、研究者になるか、とビジネスにおいては全く相手にされなかった人文学部ですが、ここにきてリベラルアーツが再評価されています。

つまり、数値化された情報だけでは読み取れない事象、その意味を読み取り、ビジネスに落とし込んでいくことができるというのです。

まとめ

ここまでをまとめると、デザイン思考よりもアート思考が優れていると思われるかもしれませんが、そういうことではなくて、アート思考で読み取ったコンテクストをビジネスに落とし込んでいくのは、やはりデザイン思考が必要なのだと思います。

知ったつもりのデザイン思考

ビジネスにおいて、デザイン思考が重要だ、なんて言われています。なるほど、ビジネスをデザインするのか、ってちょっとそれっぽいこと言ってみたりもするわけですが、デザインってなんだろう、ってなりませんか。行政書士がデザイン志向について、考えてみました。

デザインとは

デザイン【design】は英語で設計を意味します。もっと広く図案、模様、造形、構想などの意味もありますが、要は設計です。普段、デザインなんていうと、アートっぽいイメージが強いように思います。ちょっとイケてる感じの、よくわからないっぽいけど、すげーうんちくがある、みたいな。大事なのは、すげーうんちくがある、ってことで、見た目がかっこいいとかっていうのはおまけのようなものです。すげーうんちくというのが、どういうプロセスで、このアウトプットになったのかを表現していて、この部分がデザインだと思います。

例えば、わかりやすく椅子のデザイン、を考えてみると、かっこいい椅子はただかっこいいというのではなくて、誰がどの様に使うのか、ということから、座り心地、そこから得られる効果、その全てを包括して、椅子のカタチができているわけです。なので、その全てをデザインというわけで、椅子のカタチだけがデザインではないのでしょうね。

ビジネスとデザイン

ビジネスにおいても、デザインするということは同じです。商品、サービスをコンセプトから仕入、流通、売上まで、それをまた売るというビジネスモデルを構築する。デザインするわけです。でもこれって今、普通にやっていることです。顧客目線で、ってのが言われているわけで、マーケティングでも基本中の基本です。顧客理解をスタートとし、ビジネスモデルの構築までをまるっとデザインする、それがビジネス・デザインという訳です。デザイン思考という場合、確かにいろいろ考えてビジネスしている、という意味ではデザイン思考に違いないのですが、もっとデザインのレイヤーが違ってきます。問題意識の解像度が違ってきて、徹底的に分析がなされます。あらゆる事柄を数値化するのも特徴的です。つまり、その辺の理解が進めば、自ずと答えが見えてくる、というスキームになっています。要は数学的というか、マーケティングは統計である、というふうになってくるのですね。

まとめ

デザイン思考がビジネスにおいて、有効である、というのは理解できました。というよりも、デザインのないところにビジネスは生まれないということなのだと思います。デザイン思考は統計に基づくもので、いわば理系なんですね。

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キャッシュフロー、って何だったけ?

決算で黒字、利益も出ているのに、なぜか資金繰りが苦しい。儲かったいるはずなのに、いつもお金が足りてない気がする。以前、このブログにも資金繰表が必要だと書きましたが、売上があっても、資金がなければ経営は苦しいですし、場合によっては倒産なんてことも。それ、キャッシュフローですよ。

キャッシュフローとは

キャッシュフロー、つまりキャッシュのフロー。お金の流れ、です。売上があって、経費があって、ってのの差額が利益になるわけです。その利益があれば、いわゆる儲かっている、わけですが、それ以外にもお金の出、入はあります。借入すればお金は増えるし、それを返済すればお金は減ります。積立金なんかもあれば、お金は減る、積立金なので自分のお金ではあるけれど、自由に使えないお金だったりします。反対に、減価償却費は支払っていないのに、損金になっています。減っているはずなのに、使えるお金なんです。

このように損益計算書だけが、お金の出入ではありません。どうしても、売上と経費だけで見積もってしまいがちですが、本当のお金の出入はそれだけではわからないということです。そのお金の出入を示しているのが、キャッシュフローなのです。

本当に必要なお金

キャッシュフローはいわゆる税引き後利益と減価償却費です。ここから借入やら返済やらがあるわけで、最後に必要なお金っていくらかってのは分かりません。売上の入金、経費の支払いは総額でいくらいくら、ってなっていないからです。仕入れの支払いと売上の入金までの期間は異なります。仕入れの支払いをあらかじめ用意しなくてはならないし、どのように資金調達するかによって、その返済の方法も違ってくるものです。それぞれのビジネスモデルによって、本当に必要なお金は異なるのです。

資金繰表の必要性

そこで、必要となるのが資金繰表です。月次の入金、出金を管理するもので、これを作ることで初めて本当に必要なお金を知ることができます。場合によっては日次の資金繰表を作ることもあります。同じ月の精算でも10日に支払いがあるのに、月末まで入金がない、なんてこともあるからです。資金繰表を作成して、資金調達ができていれば、資金がショートするということはまずありません。そのくらい資金繰表は経営において重要な意味を持っています。

資金繰表から分かる経営の安定感

貸借対照表、損益計算表を見れば、経営の内容が分かります。いい会社かそうでない会社かは、ひと目ではっきりします。ではどこをどう改善すれば、いい会社になるのでしょうか。資金繰表からはその改善のポイントを絞ることが可能になります。例えば、仕入れてから、売上までの期間が長く、その入金までの期間も長いなんてなると、その間も人件費、設備費は毎月の支払いがあるわけです。その資金調達をどのようにしているかによって、資金繰りに大きな影響が生じます。

まとめ

コロナ融資で借りてはみたものの、返済で資金繰りが苦しいなんてこともあるかと思います。本当に必要なお金を知るために、資金繰表を作成してみましょう。

資金繰表の作成のサポート、その他資金調達サポートのご相談、お待ちしていおります。

資金繰表、ありますか

昨日の日経新聞に、「中小資金繰り、苦境一段と 債権現金化の申請3割増」という見出しがありました。

中小企業は、コロナ禍で厳しい状況が続いています。売り上げがあろうが、なかろうが資金さえあれば、中小企業は続けられていくものです。コロナ対策として、融資のハードルがものすごく下げられたため、借りなきゃ損、と言われるくらいでした。実際、クライアントからも、とりあえず借りといた、と何人かに聞きました。

もちろん、借りられるだけ借りるというのは、とても大事なのですが、それ返せるんでしょ、っていう話なんですよね。

資金繰表があれば安心です。資金繰表ができていれば、資金がショートすることはまずありません。そこで重要なのは、その根拠となる経営計画です。

コロナで、一時的に売り上げは落ちているものの、必ず回収できるというエビデンスが必要です。しかし、コロナの影響でオリンピックすら危ぶまれるわけですから、確固たる経営計画を立てなければなりません。数字を出す根拠を示すことができなければ、経営計画とはいえませんから。

コロナ絡みの融資の返済までは、まだ時間があるので、今のうちに経営計画、資金繰表、作成しましょう。

経産省では、その辺の危機も見越していて、補助金等でもかなり手厚くなっています。と言いつつも、そのハードルはより高くなっているとも言えます。積極的に出します、と言いながら、それ、大丈夫という、念押しも著しいと、要領から読み取れます。

経営計画、資金繰表について相談がありましたら、お問い合わせください。