デザインのよみかた、のききかた

デザイン、デザイン、とよく言ってますが、デザインのよみかた、をきいてみたいと思います。

デザインのよみかた、をきく。というのは、ポッドキャストの「デザインのよみかた」を聞く、ということです。

大林寛(OVERKAST代表/ÉKRITS編集長)と中村将大(帝京平成大学 助教)がデザインの基礎課程をプロトタイピングするプロジェクト「デザインのよみかた」のポッドキャスト。ゲストを招いたトーク、デザイン名著とされる本の読み解き、デザイン講義の後日談など、デザインにまつわる他愛のない話を不定期でお届けします。readdesign.jp

タイトルにつられて、ついつい聞いてしまいましたが、これが全く頭に入ってこない。ちょっと聞きづらいこともあって、全く頭に入ってこない。ポッドキャストの音質はとても重要です。内容は良いと思い、一生懸命に聞こうとするけど、続かない。そんなんで、聞かなくなってしまった。

そのままフォローはしていたので、アップされると通知されるのですが、ふとヴァージル・アブローの「ダイアローグ」(平岩壮悟訳、アダチプレス)の読み解き回があって、これなら聞いてみようと聞いてみると、なるほどおもしろい。ちょっと調べたら、HPもあって、インスタもある。こうして視覚的に情報があると、聞ける。そういうことです。

https://readdesign.jp

ポッドキャストは音声コンテンツなので、音だけなんです。当たり前ですが。なので、それだけ聞いているだけでは、なかなか頭に入ってこないわけですが、ちょっとこういうのがあると、ほう、ほう、となるんですね。

大学とかでも教えているようなふたりの会話なので、ゲストもあることもありますが、ちょっと難しいと感じるかもしれません。でも、HPやら、インスタやら、文献やらをフルに活用すれば、無料でデザインの授業を受けることができるようなものです。しかもインスタは教室の黒板みたいで。確かにそういうところまでデザインされているのだろうと思いました。

というわけで、おすすめコンテンツでした。

追記:「複雑なタイトルをここに」の読み解き回を希望します。

THE WORLD IN 2023

本年もよろしくお願いします。

毎年、ついつい買ってしまう「WIRED」の新年特集です。2023年のパラダイムチェンジということで、いくつかピックアップしてみたいと思います。

「世界を制する企業は最もタフな時代に誕生する」

2022年は物価上昇、戦争、気候変動など、大変な1年となった。コロナだってまだ引きずっている。こんなタフな時代に起業するというのは大変だ。しかし、フェイスブックもインターネットバブル崩壊後に誕生したし、グーグルも景気後退期に成長した。景気が良い時に起業することは成功の確率は上がる。景気が悪ければ、起業家は苦労をする。この苦労するということが、そのビジネスプランを大きくするチャンスでもあるという。今こそ新興企業が社会課題の解決に期待する。

「政府の新しいアプローチが経済を活性化する」

エネルギーや環境という問題がいよいよ深刻化してきた。大きい政府か小さい政府というステレオタイプの議論はやめにして、政府はこれらの問題に真剣に取り組まなくてはならない。経済を活性化するのは、規制を無くして、競争の原理で活性化させるというのも大事である。しかし、グリーン分野とテクノロジー分野を大々的に支援することで政府は経済成長と新たな市場開拓を刺激する触媒の役割を担うべきである。

「情報操作を断固として阻む闘いが始まる」

無地学(アグノトロジー)とは意図的に無知や疑念をつくり出す仕組みについての研究。環境問題やエネルギー問題をめぐるニセ情報はどのように生まれてくるのだろう。知識は地球と自らを救う最善の手段。無知についての知見を深めれば、権力者たちの思惑に気づくことができるはず。

「睡眠のパーソナライゼーションが進む」

万人に適応する睡眠法というものは、実は幻想。7時間の睡眠が必要というのは、ある分野のある特定の状況での話だとか、就寝前のスマホが睡眠に与える影響というのはほとんどの人で入眠時間が遅くなったというのは、実は2分程度だった。統計学的には意味のあることだが、生物学的にはほぼ影響がないという。

「大量転職時代を経て、スキル最優先の労働市場へ」

現在、各国のリーダーや企業の間では不確実性が重要なキーワードになっている。緩やかで予測可能な浮き沈みではなく、継続的かつ持続的な破壊が当たり前の時代に突入したと。そうなると求められるのは適応力の高いリーダーや組織。しかし、人材の発掘や維持、育成については多くの雇用者が旧態依然としてやり方を続けている。どの企業も学歴や職歴、コネを採用基準にしてきた。そのため、雇用者は機動力を失い、有能な求職者は能力を活かす機会を失ってきた。

スタートアップエコシステムを創造する

伊藤龍史「にいがたアントレプレナー学」の紹介。スタートアップエコシステム、スタートアップが次々と生まれてくる土壌、いちばん有名なのはアメリカのシリコンバレーである。いわゆるIT系のスタートアップがボコボコと生まれた地域である。なぜそれが可能であったのか。それが分かれば、ここ新潟にも作れるはず、というお話。

著者について

新潟大学経済科学部准教授である伊藤龍史氏。私も何度か講演に参加したことがある。経営学が専門で、アントレプレナーシップを研究している。シリコンバレーのあるサンノゼ州立大学に在籍していたこともあり、まさにシリコンバレーを知る人なわけだ。新潟でスタートアップを、ということでその中心にいるといっても過言ではないだろう。ゼミはすごく人気で、一般の方にも、それこそ起業家、あるいは起業家を目指す人にも開かれているというから、その人気も納得できる。

アントレプレナーシップとは

アントレプレナーシップとは、日本語に訳すと少し難しいが、起業家精神というのが近い。本書はこのアントレプレナーシップについての解説と、新潟県内の起業家を紹介していくかたちで構成されている。内容はちょっと難しい。で、結論からいうと新潟にスタートアップエコシステムはできるのか、についてははっきりと書かれてはいない。

ポストコロナとスタートアップ環境

ポストコロナを迎えて、東京一極集中はなくなるのであろうか。東京都の人口が減った、なんてニュースもあったものの、新潟県の人口は減っている。ではどこに行ったのかというと、東京でも新潟でもないのだろう。新潟から出て行く人は増えるし、東京から出る人は新潟でない別のところなのだ。

リモートや副業など、コロナ後に一気に加速した訳だが、地方にとっては非常にチャンスかもしれない。こうして新潟でスタートアップ環境を整えようという姿勢は素晴らしい。しかも、伊藤准教授を中心にしたコミュニティは、他では類を見ない取り組みではなかろうか。ぜひ、多くの方からこの本を手に取ってもらい、新潟を知ってもらいたい。

スタートアップ環境は重要である。スタートアップの成功のカギは、環境だと思う。なので、沢山の起業家、起業家を目指す人に注目してもらいたい。

ファースト・ペンギン。最初にリスクを冒して海に飛び込むペンギンのことである。起業家と似たようなマインドかもしれない。しかし、この動画にあるように、おバカさんで終わるか、リーダーになるかは、その環境に影響されるわけである。

まとめ

新潟にも起業家がいないわけではない。スタートアップ企業がないわけではない。ただ、なんとなくそういう印象が薄い。こうしてひとつにまとめてみると、良い環境が整備されていると知る。こういう取り組みをもっと情報発信していく必要がある。だって、ちょっとしたコワーキングスペースを設けて、キラキラしたセミナー開いて、なんとなくやってる感だけ出したってしょうがないじゃないですか。

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「1本5000円のレンコンがバカ売れする理由」の本当の理由②

前回に続き、「1本5000円のレンコンがバカ売れする理由」が他の業種に応用できないかを考えてみます。

何を売るのか

もちろん、マーケットを見て、売れるものを決めるというやり方もありますが、まずは何が売れるのかが必要です。ここではレンコンですが、読み進めていくと普通のレンコンではありませんでした。先代のこだわりと技術とそれから伝統。ただのレンコンでないということがこの商品の強みとなっていたわけです。なのでその強みがない場合であっても同じようになったかというと、難しかったでしょう。しかし、強みというのはあくまで相対的なものなので、どんなものであっても何も強みがないということはありません。

値段を決める

前にも価格決定のお話をしましたが、価格は顧客が買ってくれる最高値が利益を最大化できるわけです。なのでいくらで売るかということは、経営の最重要課題ということです。コストが高くて、利益が出ないという状況は、売れば売るほど赤字になるということですので、すぐにやめるべきです(農業においてはこれは日常ではありますが)。これも前述になりますが、松竹梅戦略は有効のようですね。

顧客を探す

さて、その値段で買ってくれる顧客を見つけなくてはなりません。この本に書かれているのは、営業、営業、そして営業でした。レンコンという商品の特徴かもしれませんが、B to Cというよりは、B to Bの傾向が強いからかもしれません。なかなか家庭でレンコン料理というよりは、料亭、割烹などで食べる機会のほうが多い感じがします。どこにそういう顧客がいるのかを探し出さないとビジネスは成り立ちませんので、どこにアプローチするかというのは重要です。そこを間違えると顧客にたどりつかないなんてことも。

買うまでのプロセスを知る

顧客がその商品を買うまでのプロセス、つまりカスタマー・ジャーニー。前にもお話ししましたが、ジャーニーです。この本ではレンコンの生産者が消費者に対して、そこ気にする?ってなるところがあります。生産して出荷しているだけでは気が付かなかったことでしょう。消費者目線で、とはよくいわれますが、実際にそう試みようとしても、案外自分の思い込みだったり、間違った先入観だったりで、分からないものです。

再現性はあるのか

ビジネスにおいて、最も重要となるのが再現性です。たまたま売れた、たまたま儲かった、ではほぼギャンブルです。なんらかの仕掛けに対して、同じようなリアクションが求められるわけです。それに対しての経費を計算し、売上を見込み、投資して、売上から利益を出す、のがビジネスですので、投資を回収する段取りをするのが経営者といえます。この本ではその部分は詳しく書かれていませんが、それぞれの取り組みが相乗的に実現したのだと想像します。

まとめ

コンテンツ、プライス、カスタマー、そしてビジネス・モデル。仕組み化のところで、もう少し詳しい説明が欲しいところですが、それでもビジネス書として参考になることばかりです。農業という特殊な分野ではありますが、きっと何かのヒントになるかと思います。

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「1本5000円のレンコンがバカ売れする理由」の本当の理由①

農事組合法人の代表理事をおおせつかっております。農業を取り巻く環境は日に日に悪くなるばかりで、なんとかならないものかと手に取った1冊です。農業、特に米農家でこれが可能なのか、また他のビジネスの教訓となるのか、について考えてみました。

筆者について

筆者は農家で、民俗学専攻の社会学博士。これだけでこの本が面白いものだと感じます。農業、とりわけ農村のさまざまな事象を丁寧に説明しています。農業というひとつの産業として捉えてみても、結局は経済学、経営学的に理解できない部分が多すぎるわけで、こういうところは社会学者、しかも民俗学者としての考察がとてもいいです。

結論からいうと

いきなり結論からいうと、1本5000円のレンコンがバカ売れする理由は、そういう要因があったから、ということでした。

ブランドではないがいいレンコン

親の代からレンコン栽培のノウハウがあり、こだわりがあり、もともとのポテンシャルはあったということです。レンコン専業ということから考えても、一般の農家とは相当の格差があるわけです。

営業、営業、そして営業

ブランディングとか、マーケティングとか、戦略とか、いろいろとトピックはあるものの、結局は営業から顧客を獲得した印象が強い。もちろん、5000円のレンコンという差別化、パッケージのデザイン、伝統というコピーライティング、それぞれが戦略的に取り組んでいるが、それだけではバカ売れに至っていない。営業しまくって、ちょっとずつ浸透させていった様子がわかります。

野菜は目で食べる

農業独自の課題として、製品の見た目の良さについては、如何ともし難いジレンマを抱えています。本来、食べ物なのだから美味しければいい、というわけにはいかず、味はともかくまずは見た目。とにかく見た目が良くないと、消費者が手にしてくれないというジレンマがあるのです。一般的に食味コンテストなどを開いて、おいしさをアピールしてはいるが、メディアへの話題提供にしかなっていない感が否めない。

どうやって届けるのか

例えばJAに出荷していれば、手数料などなどバカになりません。そのコストを抑えることはできるものの、自分で売り先、配送業者を探して、手配するとなると莫大な手間なわけです。そこのバランスを見誤ると、大変なことに。

まとめ

筆者はこうしていくつもの課題をクリアして、1本5000円のレンコンがバカ売れするようになったわけです。なので、米農家がそう簡単に真似できるようなものではないようですね。ちょっと長くなったので、次回は他の業種への教訓について考えてみます。

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デザインする、は一体何をするのか

前にデザイン思考についてお話ししましたが、ビジネスにおいてデザインが重要である、ということはご理解いただけたと思います。なるほど、なるほど、と。で、何をするのかい?っていうのが今回のテーマです。

デザインのおさらい

デザインは、見た目をいい感じにするとか、ファッショナブルであるとか、そういうイメージ的なものではなく、徹底的に設計すること、ということをお話ししました。観察からはじまって、あーでもない、こーでもないと考察し、こんなんじゃね、と仮説を立て、いい感じ、に実装し、あぁマジか、と評価して、というPDCAのことです。プロダクト・デザインというのは、そういうのの結果の部分でしかないのです。

「101デザインメソッド」

じゃ、どうすればいいの?ってなると思いますが、デザインのメソッドがこの書籍にまとめられていますので、紹介します。

デザインを7つのフェイズに分類し、101のデザインメソッドを紹介しています。もちろん、通して読んでもいいですが、それぞれの課題、課題に必要なメソッドだけをチョイスするというのでもいいと思います。

思い込みを排除する

このデザインすることの意味は、思い込みを排除する、ということに尽きると思います。人は経験やそれに基づいた勘に頼りがちです。成功体験があると、なおさらそのルーティンのようなものができてしまい、新しい気づきを見落としてしまうものです。新しいビジネスを思いついた、すぐにやってみよう、となった時にエビデンスが必要です。上司に説明するとか、融資のために金融機関に説明するとか。イケそうな根拠としての資料を提示するわけですが、これが自分の都合のいいデータを抽出するとか、見たい現実を見にいくというものだと、後々困ることになるわけです。

「バズ・レポート」

メソッドの1が、「バズ・レポート」です。いわゆるバズってる、人、物、事を抽出し、関連するトピックを拾っていく作業です。誰もが考えうることではありますが、ちょっとデザイン的に考えると、誰もが自分自身の興味、関心のあることは日々ピックアップしているものです。なので、ああ、これな、みたいな感じでピックアップするのではなく、「オープンなマインドで情報源を見て回る」ことが重要とあります。

カスタマー・ジャーニーの眼差し

ここで重要なのは自分自身の目線ではなく、ユーザーからどう見えているのか、ということです。そうでなければ、自分の思い込みの範疇でしか考えられないし、そこから卒業するためのデザインなのです。

カスタマー・ジャーニーとは、まさしくジャーニー、旅なわけです。カスタマーが財・サービスを購入しよとするとき、あーでもない、こーでもないと考えるプロセスがカスタマー・ジャーニーですの、どこのどのタイミングで選択したのかを探り、何がそのきっかけとなったのかを知る必要があります。

まとめ

デザインメソッドは自身の思い込みを排除するツールです。そのデザインの方法が載ってますので、ぜひ手に取ってみてください。

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ファンダムエコノミーの未来感

宇佐美りん「推し、燃ゆ」。ちょっと前に芥川賞を受賞した作品である。普段はこういうのは読むことはないが、あるポッドキャストで大絶賛されていて、しかも某メルカリで安く手に入ったので、読んでみた。短い小説だった。ちょうどそのタイミングで黒鳥社から出版された「ファンダムエコノミー入門」。これが今日の話。

ファンダムエコノミーとは

「ファンダムエコノミーは、もはや一部の過剰な消費者が生み出す周縁的な経済圏ではない。それは、生産者と消費者の関係性を根底から変え、これまでとはまったく異なるビジネスを生み出す巨大な潮流だ。伝統的な経済システムと接しながら、モラルエコノミー、ソーシャルエコノミー、贈与経済がハイブリットされた摩訶不思議な新しい経済は、来るべき政治、文化、社会さえをも変えてしまうかもしれない。」(帯より)

ファンダムエコノミー自体は古くからあって、コアなファンというとわかりやすい。シャーロック・ホームズにもあるし、スター・ウォーズにもある。日本ではオタク文化もそうだろう。ただ、今まではある種の限定的なものとして捉えらてきたが、ここにきてその特別な感じはもうしなくなってしまった。BTSは普通にファンがいるし、ゲームをする大人も普通になった。

推し、という財・サービス

財・サービスは、生産者と消費者が貨幣で交換されるもの、が従来の経済学である。推しは、財・サービスとしての売買の対象ではないということらしい。つまり、消費ではないということか。むしろ、贈与に近いというのである。BTSのCDを買うとか、グッズを買うだけでなく、ファンが出資して広告を出すとなると、ちょっと従来の消費行動で説明できなくなっているというわけだ。

時代は変わる

「推し、燃ゆ」を読んでの感想が、わからん、だった。BTSはもちろん知ってはいたが、これほどまで世界で人気があるなんて知らなかった。そして、このファンダムエコノミー。正直なところ、自分には理解できない。そこに書いてあることは理解できるが、ピンとこないのである。しかし、それは仕方のないことだとも思う。時代は変わる。

サブスクリクション、が消費行動を変えてしまったように、ファンダムエコノミーが消費行動を変えることがあるのかもしれない。アップル・ミュージックに入ってからもうCDは買わなくなってしまった。本はまだ買ってはいるがkindleも使っている。そのうち本も買わなくなるかもしれない。

まとめ

ちょっとまとまりがなくなってしまいましたが、ファンダムエコノミーの紹介でした。これから経済活動が変わるかもしれないという話。繰り返しになりますが自分にはいまいち理解できないとしても、それはそれで押さえておかないといけないのかもしれません。一気に自分が歳を取ってしまったような感じなるのも仕方のないことですね。

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知ったつもりのデザイン思考

ビジネスにおいて、デザイン思考が重要だ、なんて言われています。なるほど、ビジネスをデザインするのか、ってちょっとそれっぽいこと言ってみたりもするわけですが、デザインってなんだろう、ってなりませんか。行政書士がデザイン志向について、考えてみました。

デザインとは

デザイン【design】は英語で設計を意味します。もっと広く図案、模様、造形、構想などの意味もありますが、要は設計です。普段、デザインなんていうと、アートっぽいイメージが強いように思います。ちょっとイケてる感じの、よくわからないっぽいけど、すげーうんちくがある、みたいな。大事なのは、すげーうんちくがある、ってことで、見た目がかっこいいとかっていうのはおまけのようなものです。すげーうんちくというのが、どういうプロセスで、このアウトプットになったのかを表現していて、この部分がデザインだと思います。

例えば、わかりやすく椅子のデザイン、を考えてみると、かっこいい椅子はただかっこいいというのではなくて、誰がどの様に使うのか、ということから、座り心地、そこから得られる効果、その全てを包括して、椅子のカタチができているわけです。なので、その全てをデザインというわけで、椅子のカタチだけがデザインではないのでしょうね。

ビジネスとデザイン

ビジネスにおいても、デザインするということは同じです。商品、サービスをコンセプトから仕入、流通、売上まで、それをまた売るというビジネスモデルを構築する。デザインするわけです。でもこれって今、普通にやっていることです。顧客目線で、ってのが言われているわけで、マーケティングでも基本中の基本です。顧客理解をスタートとし、ビジネスモデルの構築までをまるっとデザインする、それがビジネス・デザインという訳です。デザイン思考という場合、確かにいろいろ考えてビジネスしている、という意味ではデザイン思考に違いないのですが、もっとデザインのレイヤーが違ってきます。問題意識の解像度が違ってきて、徹底的に分析がなされます。あらゆる事柄を数値化するのも特徴的です。つまり、その辺の理解が進めば、自ずと答えが見えてくる、というスキームになっています。要は数学的というか、マーケティングは統計である、というふうになってくるのですね。

まとめ

デザイン思考がビジネスにおいて、有効である、というのは理解できました。というよりも、デザインのないところにビジネスは生まれないということなのだと思います。デザイン思考は統計に基づくもので、いわば理系なんですね。

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